週末、妻と近所の町中華に行ってきました。 油の香りが漂う店内で、熱々のチャーハンやカシューナッツ炒めを分け合いながら、ふとこれまでの日々を静かに振り返っていました。 私たちが再婚して、ステップファミリーとして歩み始めてから11年目になります。今でこそこうして穏やかな時間を過ごせていますが、ここに至るまでには数え切れないほどの失敗やためらいがありました。
今、この記事を読んでくださっているあなたは、もしかすると新しい一歩を踏み出すことに強い恐怖を感じているのかもしれません。 結婚すること、再婚すること、あるいは今のライフスタイルを少し変えてみること。 「また失敗したらどうしよう」「これ以上傷つくのが怖い」と足がすくんでしまうのは、とても苦しいものです。 この記事で一番お伝えしたいのは、「行動を恐れるのは、あなたが弱いからではない」という事実です。 読み終える頃には、自分を責める気持ちが少し和らぎ、焦らずに自分のペースで未来を考えていけるような、そんな安心感を受け取ってもらえるはずです。


なぜ、私たちは行動することを恐れるのか
新しい環境に飛び込んだり、人間関係を築き直したりする時、足が止まってしまうのはごく自然なことです。 実はこれ、意志の弱さや性格の問題ではなく、人間の脳に生まれつき備わっている「防衛本能」が正常に働いている証拠にすぎません。 少しだけ客観的なデータのお話しをさせてください。 人が行動をためらう背景には、主に次のような理由があります。
- 損失を避けたがる性質:人は「得をする喜び」よりも、「損をする痛み」を約2倍も強く感じるようにできています。
- 現状維持を好む本能:今の状態に少し不満があっても、予測できない未来に進むより「今と同じ状態」を安全だと判断しがちです。
- 過去の記憶によるブレーキ:うまくいかなかった経験が重なると、「次もきっとだめだ」と思い込んで心を守ろうとします。
つまり、あなたの心が感じている強い恐怖は、「未知のリスクからあなたを守ろうとする、脳の正常なアラート機能」です。 決して、あなたに勇気がないからではありません。
私自身、ステップファミリーという新しい家族の形を築くにあたり、そして資産運用を通して家族の経済的基盤を作る過程で、このアラートが何度も鳴り響きました。 血の繋がらない家族との距離感を探る時や、手元の資金を運用に回す時、「もし失敗したら、今のささやかな平穏すら失うのではないか」という恐怖は常について回りました。 それでも少しずつ前に進めたのは、恐怖をなくそうと無理をするのではなく、「怖いと感じるのは、脳が自分を守ろうとしているから当たり前だ」と受け入れるようにしたからです。

何歳からでも、何度でもやり直せる理由
「もう遅いかもしれない」「今さら自分は変われない」と不安になる日もあるかもしれません。 ですが、年齢を重ねてからでも、何度か失敗を経験した後でも、人はやり直すことができます。 人間の脳の神経回路は、大人になってからも新しい経験や学習によって変化し続けることがわかっています。 これは、何歳からでも新しい考え方を身につけたり、昨日とは違う行動を選んだりできるという、確かな生物学的な事実です。
失敗を恐れて立ち止まることは、一時的な安心を与えてくれます。 しかし長い目で見れば、本当に望む生き方から遠ざかってしまうリスクにもなり得ます。 仮に選んだ行動が期待通りの結果にならなかったとしても、それは「この方法は自分には合わなかった」という新しい経験を得ただけのことです。何度でも、軌道修正をしてやり直せばいいのだと私は思っています。
- 失敗は致命傷にならない:多くの場合、私たちが想像する最悪の事態は起こりません。
- 行動しないことの隠れたリスク:今のまま時間が過ぎていくのを受け入れることも、実はひとつの大きな選択です。
- 年齢は単なる条件:変化のスピードは若い頃より緩やかになるかもしれませんが、歩みを進めることはいつだって可能です。
焦らず、極めて小さなステップから
行動への恐怖を感じること自体を、無理に消し去る必要はありません。 「私の脳が、私を必死に守ろうとしてくれているんだな」と客観的に見つめるだけで、少しだけ心にゆとりが生まれます。
そして、もし「やっぱり少しだけ動いてみようかな」と思えた時は、失敗しても全く痛手にならないくらい、極めて小さなステップに細分化してみてください。 信頼できる人に少しだけ話を聞いてもらう、気になることを一つだけ調べてみる。そんな本当に小さな行動の積み重ねが、気づけば現状の枠をそっと押し広げてくれます。
今、無理に大きな決断をする必要はありません。 立ち止まって休む時期があっても、迷って足踏みする時期があっても大丈夫です。 あなたがこれまで懸命に生きてきたこと、そして今こうして悩むほどに自分の人生を大切に想っていることは、決して消えることのない事実です。
焦らず、ご自身の心の準備が静かに整うのを待ってあげてください。 いつからでも、何度からでも、あなたの人生はあなたのペースで歩んでいけます。

コメント